井穴刺絡(せいけつしらく)は、指先の“井穴(せいけつ)”というツボから少量の血を出して、
身体の過緊張・滞り・熱を一気にリセットする技法です。
シンプルに見えるけど、指によって流れる経絡も、整う臓腑も、効果もまったく違う。
だから「どの指を抜くか」で体の反応がガラッと変わる、めずらしい治療です。
この記事では、
手と足の全12井穴を“指ごとの特徴・効果・ニュアンス(=感じ方)”までまとめた完全版を紹介します。
【まず大前提】
井穴=“気の出口”
刺絡=“過剰なものを抜く”
だから 急に苦しくなる・頭がのぼせる・呼吸が浅い・胸がつかえる
こういう“上に溜まる症状”にめちゃくちゃ相性がいい。
ここを押さえておけば、効果の理解が一気に早い。
——————————————————
【手の井穴:指ごとに効く臓器が違う】
——————————————————
■ 親指(肺経:少商 LU11)
主な効果
呼吸器症状全般(喘息・咳・胸の締め付け) 過換気 喉のつかえ/胸のつまり 副交感神経の過緊張を落とす
ニュアンス
“息がストンと入る” “胸が開く”
呼吸トラブルならまずここ。反応が早い。
■ 示指(大腸経:商陽 LI1)
主な効果
鼻炎・花粉症 顔面の熱・のぼせ 頭痛(特に前頭部) アレルギー反応の鎮静
ニュアンス
“サッと熱が引く感じ”
鼻炎+喘息みたいなアレルギー系には鉄板。
■ 中指(心包経:中衝 PC9)
主な効果
動悸、息苦しさ 胸の圧迫感 パニック系の緊張 胃のつかえ・胸焼け
ニュアンス
“胸のストレス弁が開く”
精神的な緊張とセットの呼吸苦に最速。
■ 薬指(三焦経:関衝 SJ1)
主な効果
のぼせ・ほてり むくみ 耳鳴り・耳閉感 自律神経の温度調整
ニュアンス
“体内の温度が整う”
のぼせ・耳閉・水分代謝トラブルに。
■ 小指(尺側:心経 少衝 HT9)
主な効果
イライラ・怒り 自律神経の過興奮 顔のほてり 強いストレス症状
ニュアンス
“感情の火がスッと下がる”
ストレスで呼吸が乱れるタイプに効く。
■ 小指(橈側:小腸経 少沢 SI1)
主な効果
肩・首こり 胸郭上部の緊張 側頭部痛・眼精疲労 腕の張り
ニュアンス
“肩が一気にゆるむ”
肩の緊張で呼吸が浅い人にドンピシャ。
——————————————————
【足の井穴:下半身から呼吸・自律神経を整える】
——————————————————
■ 拇趾(内側:脾経 SP1)
主な効果
痰が多い・湿っぽい呼吸 むくみ 消化不良・だるさ 免疫力アップ
ニュアンス
“重だるさが抜ける”
痰湿タイプの喘息にハマる。
■ 拇趾(外側:肝経 LV1)
主な効果
息が上がる/気逆 イライラ 横隔膜の固さ(ため息が多い) 緊張性の息苦しさ
ニュアンス
“張り詰めた糸がふっと緩む”
ストレスで呼吸が止まるタイプの切り札。
■ 第二趾(胃経 ST45)
主な効果
胸やけ・胃熱 顔のほてり のぼせ 前頭部痛
ニュアンス
“上にのぼった熱が下がる”
胸が熱くて浅い呼吸の人に合う。
■ 第三趾
井穴なし。(臨床では使わない)
■ 第四趾(胆経 GB44)
主な効果
片頭痛 横隔膜の過緊張 イライラ 寝つきの悪さ
ニュアンス
“横隔膜がストンと下がる”
ストレス性の呼吸苦にめちゃ強い。
■ 小趾(外側:膀胱経 BL67)
主な効果
背中の張り 呼吸補助筋の硬さ 冷え 体液循環
ニュアンス
“背中が一気にゆるむ”
背中の硬さで吸いにくいタイプに最速。
■ 小趾(内側:腎の系統・湧泉と連動)
主な効果
生命力の底上げ 深い呼吸の安定 冷え 慢性疲労
ニュアンス
“足元から静かに呼吸が深くなる”
虚弱・冷え性・慢性呼吸不良タイプ向け。
——————————————————
【まとめ】
指ごとに「効く臓器とニュアンス」が違うから井穴刺絡は強い
——————————————————
井穴刺絡は、
“どの指を抜くか”=“どの臓器の過緊張を抜くか”
という治療。
つまり、
呼吸 自律神経 頭痛 ストレス 消化 むくみ
これらが指先から一気に調整できる珍しい技法。
手の井穴は胸・呼吸・頭部を、
足の井穴は胃腸・ストレス・下半身を整える力が強い。
なので治療では、
手と足を組み合わせると反応が一段上がる。

