足の評価は「テスト名を知っている」だけでは意味がありません。
重要なのは、
✔ どこを触るか
✔ どう動かすか
✔ 何を確認する検査か
これを理解することです。
1. 足底・踵部の痛み
• 足底腱膜炎(Plantar Fasciitis)
◦ 評価部位: 圧痛は踵骨隆起の内側突起(踵の裏の内側寄り)に認められます。
◦ 評価テスト: ウィンドラス・テストが有用です。立位で母趾(親指)を強制的に背屈させた際、踵の内側に痛みが生じれば陽性です。
◦ 臨床的特徴: 朝、起床時の第1歩目の強い痛み(initial step pain)が非常に特徴的です。
追加で必ず見る評価
足関節背屈可動域
ふくらはぎが硬いと、足底腱膜に負担が集中します。
👉 壁に向かってしゃがみ
👉 膝がつま先より前に出るか確認
出なければ制限あり。
• 踵骨後部滑液包炎
◦ 評価テスト: two-finger squeeze testを用います。検者の母指と示指でアキレス腱付着部のやや近位を内外両側から圧迫し、強い痛みや腫脹を確認します。
2. 前足部の痛み・しびれ
• モートン病 (Morton’s Disease)
◦ 評価部位: 主に第3・4中足骨頭間に局限した痛みが生じますが、他の趾間でも起こります。
◦ 評価テスト: 障害部位の趾間にティネルサイン(Tinel sign)(叩くと響くようなしびれ)が認められるか確認します。また、前足部を側方から圧迫して痛みを誘発する側方圧迫テスト(lateral compression test)も有用です。
前足部の横アーチの過度な低下(開張足)が原因で、中足骨の間を通る神経が圧迫・牽引され、足趾にしびれや痛みが生じます。治療には中足骨パッドや、第1中足骨の回内・第5中足骨の回外を促すインソールが有効です。
※前足部側方圧迫テスト
やり方
足の横をギュッと圧縮。
何を見る?
骨の間が狭まり、神経痛が出るか。
陽性の意味
👉 横アーチ崩壊
👉 ハイヒール障害
• 中足骨疲労骨折
◦ 評価部位: 第2、3中足骨の骨幹部中央に好発し、局所の明らかな圧痛が唯一の初期所見である場合が多いです。
◦ 評価テスト: 片脚で跳ぶことで痛みを誘発するホップテストが診断の助けとなります。
※ホップテスト
やり方
片脚で軽くジャンプ。
何を見る?
骨に衝撃痛が出るか。
陽性の意味
👉 疲労骨折疑い
👉 すぐ運動中止レベル
初期はレントゲンに映らないので重要。
3. 足部外側・第5列の痛み
• Jones骨折(第5中足骨基部骨折)
◦ 評価部位: 第5中足骨基部(足の外側の出っ張った骨の付近)に痛みが生じます。
◦ 評価の視点: サッカー選手などに多く、歩行時の外側荷重傾向や足圧中心(COP)の軌跡が外側に偏っている場合にリスクが高まります。
後足部を回内誘導するテーピングが足底圧の分散に効果的です。
4. 踵の後方(アキレス腱)の痛み
• アキレス腱断裂
◦ 所見: 受傷時に「後ろから蹴られた」「ボールが当たった」ような強い衝撃を感じます。アキレス腱部に陥凹(くぼみ)を触知します。
◦ 評価テスト: トンプソン・テスト(Thompson’s squeeze test)が最も確実です。腹臥位でふくらはぎを掴んだ際、足関節が底屈しなければ断裂と判断されます。
5. 下腿(すね)の内側の痛み
• シンスプリント (脛骨過労性骨膜炎)
◦ 評価部位: 脛骨の後内側縁(すねの内側)、特に中央から遠位1/3にかけて、5cm以上の範囲にわたる圧痛が認められます。
◦ 関連因子の評価: 足関節の背屈(つま先を上げる動き)の制限や、運動負荷後のふくらはぎ(内側頭)の筋肉の硬さがリスク要因となります。
6. 全身の連動性をみる動的評価
• スクワッティングテスト
◦ 膝を曲げる動作の際のアライメントを確認します。
◦ Knee-in & Toe-out: 膝が内に入りつま先が外を向く場合は、シンスプリントや足底腱膜炎、外反母趾などのリスクを評価します。
◦ Knee-out & Toe-in: 膝が外に出てつま先が内を向く場合は、腸脛靭帯炎やアキレス腱外側部炎などのリスクを考慮します。
これらの部位別評価に加え、足底圧分布の偏りやアーチの高さの変化を観察することで、痛みの根本原因をより詳細に特定することが可能です。


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