-アルツハイマー病・パーキンソン病に対する最新研究まとめ-
近年、世界的に注目されているのが――
「鍼で脳の神経が再び動き出す」という研究結果です。
北京中医薬大学附属病院による論文(Guo & Ma, 2019, Frontiers in Integrative Neuroscience)では、
アルツハイマー病(認知症)とパーキンソン病(手のふるえや歩行障害など)に対して、
鍼治療が驚くほど強い改善効果を示すことが報告されています。
アルツハイマー病(もの忘れ・認知症)
結果の凄さ:★★★★☆(かなり強い)
エビデンスレベル:★★★☆☆(中等度)
記憶力・判断力の改善が明確。
・鍼を受けたグループでは、認知テスト(MMSE)が平均+2〜3点改善。
・ドネペジル単独の人よりもはっきりと良くなりました。 → 「薬だけでは止まらなかった記憶の低下が、鍼を組み合わせると回復に転じる」レベル。
・改善率は7〜8割。
・情緒・言語・運動など多面的に好転。
・副作用も3,000人中わずか7件で、すべて軽度。安全性は非常に高い。
脳の代謝が回復
PET検査で、海馬・前頭葉・視床下部などの脳の糖代謝がアップ。 → 「眠っていた神経細胞が再び動き出す」ような変化。 病変の原因そのものを抑制。
動物実験で、アミロイドβ(Aβ)の蓄積が減少
鍼刺激によってBACE1酵素が抑えられ、AMPKが活性化し、神経細胞のエネルギー代謝が改善。
刺鍼部位
百会(GV20)/神庭(GV24)/風府(GV16)/神門(HT7)/印堂(Yintang)/大椎(GV14)/腎兪(BL23)/陽白(GB13)など
→ 脳血流を高め、記憶と感情を司る中枢(海馬・前頭葉)を活性化する目的。
パーキンソン病(ふるえ・歩きにくさ)
結果の凄さ:★★★★☆(かなり強い)
エビデンスレベル:★★★☆☆(中等度)
歩行・バランス・筋のこわばりが改善。
・鍼+薬の併用で、評価スコア(UPDRS)が平均20〜30%改善。 「歩幅が広がった」「声が出やすくなった」「眠れるようになった」といった臨床的変化も多数。
神経が守られる。
実験では、電気鍼(EA)によって黒質のドパミン神経が壊れずに残ることが確認され、 抗酸化酵素(SOD・CAT)やDJ-1・BDNF経路が活性化。 → 「壊れかけた神経を実際に救っている」データ。
脳の“ゴミ掃除機能”を再起動。
パーキンソン病の原因物質・αシヌクレインを、鍼がmTOR非依存性オートファジーで除去。 つまり、細胞が自力で不要タンパクを掃除する力を取り戻す。
脳画像で運動回路が再点火。
fMRIやSPECTで、黒質・視床・被殻など運動制御の中枢が活性化。 → 「脳の動きそのものが再びつながる」現象が視覚的に確認されている。
刺鍼部位
陽陵泉(GB34)/太衝(LR3)/合谷(LI4)/百会(GV20)/風池(GB20)/曲池(LI11)/足三里(ST36)など
→ 筋緊張と神経伝達を整え、運動制御ネットワークを刺激する目的。
💬 まとめ
鍼は「痛みをやわらげる」だけの道具ではありません。
**脳の代謝を高め、神経の再生をうながす“生物学的スイッチ”**です。
アルツハイマーでは記憶回路が再び働く。
パーキンソンでは動かす力が戻る。
どちらも、薬では届かない“神経そのもの”に作用している。
つまり――
「リハで体を動かす × 鍼で脳を動かす」
この二段構えが、神経疾患の未来を変える。
それを裏づける強い研究が、すでに出始めています。

