― 介護保険リハでは「足りなくなる理由」―
「介護保険でリハビリを受けているのに、あまり変わらない」
「ここから先は良くならないと言われた」
こうした声は、決して珍しくありません。
そしてそれは、本人の努力不足でも、セラピストの能力不足でもありません。
制度の役割が違う。
それだけの話です。
介護保険リハの役割は「生活を守ること」
まず大前提として、介護保険のリハビリはとても重要です。
なければ生活が立ち行かない人も多い。
ただし、介護保険制度そのものは
「生活が破綻しないこと」を目的に設計されています。
- 転ばずに過ごせる
- 介助量が増えない
- 家族の負担が限界を超えない
これらを守ることが最優先です。
逆に言えば、
「大きく良くなること」や「生活を作り変えること」は主目的ではない。
ここに、最初のズレがあります。
「良くなるために必要な量」が足りない
歩き方を変える。
麻痺した手を使えるようにする。
体の使い方を覚え直す。
これらには共通点があります。
圧倒的な反復量が必要だということです。
ところが介護保険リハでは、
- 時間・回数に上限がある
- 安全性が最優先される
- 他業務や集団対応が入る
結果として、
「変わるための量」に届く前に終わってしまうケースが多い。
やっていないわけではない。
足りないだけです。
本人の「やりたいこと」が後回しになる構造
介護保険リハで重視されるのは、
- 移動
- 更衣
- 排泄
いわゆる最低限のADLです。
一方で、
- もっと外に出たい
- 趣味を再開したい
- 役割や仕事に戻りたい
こうした目標は、制度上どうしても優先度が下がります。
結果、
「生活は回っているけど、人生は動いていない」
そんな状態が生まれます。
動かしづらさの原因に十分向き合えない
動けない理由は、筋力不足だけではありません。
- 痛み
- 痙縮
- 過緊張
- 感覚のズレ
- 動くことへの恐怖心
これらを放置したまま練習しても、成果は出にくい。
しかし介護保険リハでは
そこに時間をかける余裕がないのが現実です。
結果として、
「動かしづらい体のまま、動かす練習をする」
という矛盾が起こります。
自費リハビリが担う役割
自費リハビリは、介護保険リハの代わりではありません。
介護保険では担いきれない部分を、真正面から扱うための選択肢です。
- 目標から逆算して時間と頻度を決める
- 改善に必要な反復量を確保する
- 生活・仕事・趣味に直結した練習を行う
- 痛みや痙縮など、動けない原因にも同時に対応する
「まだ良くなりたい人」
「ここで止まりたくない人」
そういう人のためのリハビリです。
鍼灸 × 自費リハという考え方
リハビリが進まない原因は、
「やり方」ではなく「状態」にあることも多い。
痛みや緊張、痙縮をそのままにして
いくら練習しても効率は上がりません。
鍼灸で体を整え、
動かせる状態を作った上でリハビリを行う。
この順番を踏めるのは、
制度に縛られない自費リハならではです。
まとめ
介護保険リハは、生活を守るために不可欠です。
ただし——
生活を変えたい人には、足りなくなる。
その不足分を埋め、
もう一段階先を目指すための選択肢。
それが、自費リハビリです。


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