「退院後の生活が不安…」「一人暮らしの準備をしたい」「生活リズムを整えたい」——そんな悩みをお持ちの障害のある方やそのご家族に向けて、障害福祉サービスのひとつである「自立訓練(生活訓練)」について、対象者・サービス内容・利用方法・料金まで、わかりやすく解説します。
自立訓練(生活訓練)とは?
自立訓練(生活訓練)は、障害者総合支援法に基づく「指定障害福祉サービス」のひとつです。精神障害・知的障害・発達障害などのある方が、地域で自立した日常生活や社会生活を営めるよう、生活能力の維持・向上のための訓練や支援を提供します。
わかりやすく言うと、「日常生活をうまく送るためのスキルを、専門スタッフとともに練習する場所」です。入浴・食事・服薬管理・金銭管理・人間関係など、生活に必要なさまざまな力を、自分のペースで身につけることができます。
「機能訓練」との違い
自立訓練には「生活訓練」と「機能訓練」の2種類があります。
- 生活訓練:対象=精神・知的・発達障害など 内容=生活能力の維持・向上(食事・金銭管理・コミュニケーション等)
- 機能訓練:対象=主に身体障害・難病 内容=身体機能の維持・向上(PT・OTによるリハビリ中心)
対象となる方
以下のような方が主な対象です(原則18歳以上65歳未満)。
- 入所施設や病院を退所・退院した方
- 特別支援学校を卒業した方
- 継続した通院により症状が安定している方
- 長期のひきこもりや入院で外出が困難な方
- 一人暮らしやグループホームへの移行を目指している方
※障害者手帳がなくても、医師の診断書・意見書があれば自治体の判断により利用できる場合があります。
サービス内容・プログラム例
事業所によって異なりますが、主なプログラム内容は以下の通りです。
① 生活スキル系
- 食事・入浴・排泄など日常生活動作の練習
- 服薬・体調管理の方法を学ぶ
- 金銭管理・買い物・家事(料理・洗濯・掃除)の練習
- 生活リズム(睡眠・起床・食事時間)の調整
② 心理・認知系
- 自分の障害・特性についての理解(自己理解)
- ストレスコントロール・リラクゼーション法
- 感情のコントロール・マインドフルネス
③ コミュニケーション・社会参加系
- SST(ソーシャルスキルトレーニング)
- アサーション・アクティブリスニングの練習
- 外出・公共交通機関の利用練習
- 余暇活動・趣味・自分の得意なことの発見
事業所の種類(通所・訪問・宿泊)
- 【通所型】 自宅から事業所に通って訓練を受ける。最も一般的な形態。
- 【訪問型】 スタッフが自宅を訪問し、1対1で訓練を行う。ひきこもりや外出困難な方でも利用しやすい。
- 【宿泊型】 日中に就労や他の福祉サービスを利用している方が、夜間・休日に宿泊して生活能力を高める。
利用期間・料金
利用期間
原則2年間(長期入院歴がある場合などは最大3年間)。2年を超えて利用するには市区町村への申請と審査が必要です。
利用料金
サービス費用の原則1割が自己負担ですが、世帯収入に応じて月額上限が設定されています。利用者の約9割は自己負担が発生しない(無料)とされています。
- 生活保護・低所得:上限 0円
- 市町村民税非課税世帯:上限 0円
- 市町村民税課税世帯(収入概ね670万円以下):上限 9,300円/月
- 上記以外:上限 37,200円/月
利用の流れ
- STEP 1: 市区町村の福祉窓口・相談支援事業所に相談
- STEP 2: 事業所を見学・体験利用して選ぶ
- STEP 3: 障害福祉サービス受給者証を申請(診断書等が必要)
- STEP 4: 「サービス等利用計画」を作成・提出
- STEP 5: 受給者証交付後、事業所と契約・利用開始
- STEP 6: 個別支援計画に基づき訓練スタート
まとめ
自立訓練(生活訓練)は、障害のある方が地域で自分らしい生活を築くための大切なステップです。「今すぐ就職は難しいけれど、少しずつ生活を整えたい」という方にとって、自分のペースで訓練を進められる心強い支援制度です。
まずは市区町村の福祉窓口や相談支援事業所に相談するところから始めてみましょう。事業所によってプログラムの特色や雰囲気が異なりますので、見学・体験利用を活用して、自分に合った場所を探してみてください。
【リハりん 訪問リハビリ・鍼灸サービス】
当事業所では、訪問リハビリテーション・鍼灸治療を通じて、在宅での自立生活をサポートしています。脳卒中後遺症・神経疾患のリハビリについても、ぜひお気軽にご相談ください。


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