耳鳴りに鍼灸は効くの?研究でわかってきたこと

耳鳴り

こんにちは。リハりんの金野です。

耳鳴りとは?

「キーン」「ジー」と音がしているのに、実際には何も鳴っていない……。
これが 耳鳴り です。
原因ははっきり一つではなく、ストレスや血流、首や肩のこり、加齢など色々な要因が重なっています。


鍼灸で期待できる効果

世界中で行われた研究から、鍼灸は耳鳴りに対して次のような効果が期待できると報告されています。

  • 音の大きさが下がる
  • 夜眠りやすくなる、集中しやすくなる
  • 「気になって仕方ない」つらさが和らぐ

どのくらい改善するの?

もちろん個人差はありますが、研究のまとめでは――

  • 約3〜5割の方に「はっきり改善」(音が小さくなった、生活が楽になったなど)
  • さらに2〜3割の方に「やや改善」(少し気にならなくなったなど)
  • 平均すると、耳鳴りの不快度スコア(THI)が 10〜20点下がる 報告が多いです。

👉 つまり、「すべて消える」わけではありませんが、半分くらいの方は“音が弱まった”と感じているのです。


研究から見たエピソード

  • 1983年(日本):耳鳴り患者103人に鍼をしたら、約5割で改善。特に首や肩のこりを伴う人に効果的でした。
  • 2011年(イラン):わずか5回の鍼で、60〜80%の方に音の大きさやつらさの改善。
  • 2015年(日本):首や頭を押すと耳鳴りが変わるタイプの人は、なんと100%改善。
  • 2023〜2025年(国際研究):鍼とお灸を組み合わせたり、耳や頭のツボを狙うことで、QOLが大きく改善したという報告が増えています。

よく使われるツボ(経穴)

👂 耳のまわり

  • 翳風(えいふう, TE17):耳の後ろのくぼみ
  • 耳門(じもん, TE21):耳の前、口を開けるとへこむ所
  • 聴宮(しょうきゅう, SI19):耳の穴の前のくぼみ
  • 聴会(ちょうえ, GB2):耳の穴のすぐ前

🦵 手足

  • 中渚(ちゅうしょ, TE3):手の甲、小指と薬指の間
  • 外関(がいかん, TE5):手首の甲側
  • 太衝(たいしょう, LR3):足の甲、親指と人さし指の間
  • 足三里(あしさんり, ST36):ひざの下の外側
  • 太谿(たいけい, KI3):内くるぶしの後ろ

🧠 頭(頭皮鍼)

  • 百会(ひゃくえ, GV20):頭のてっぺん
  • 神庭(しんてい, GV24):前髪の生えぎわの真ん中
  • 後側頭線(MS11):こめかみから耳の上にかけてのライン

治療の流れ

  • 1回 30分前後
  • 週2〜3回を1か月ほど が目安
  • 効果は4〜5回で手応えが分かることが多いです

刺し方・深さ(論文別)

  • 1. Rogha 2011(イラン, RCT)
    使用経穴:耳門(TE21)、翳風(TE17)、聴宮(SI19)など耳周囲中心
    刺し方:直刺
    刺入深度:10〜20 mm
    保持時間:20分
    刺激条件:電気刺激なし。得気(刺したときの響き感覚)を得るよう操作。

    2. 安藤 2015(日本, 症例集積研究)
    使用経穴:乳様突起周辺の完骨(GB12)や反応点、耳周囲の経穴
    刺し方:直刺
    刺入深度:10〜20 mm(頸部筋群に届く程度)
    保持時間:15〜20分
    刺激条件:置鍼主体。必要に応じて雀啄(軽い鍼先の出し入れ)を追加。

    3. Xie 2014(中国, De-qi有無を比較したRCT)
    使用経穴:聴宮(SI19)、耳門(TE21)、聴会(GB2)
    刺し方:直刺
    刺入深度:10〜15 mm
    保持時間:30分
    刺激条件
    実鍼群:強い得気を誘発
    対照群:得気を起こさない程度に浅刺

    4. Kim 2017(韓国, 3群RCT)
    耳周囲EA群
    経穴:翳風(TE17)、耳門(TE21)
    直刺、5〜10 mm、20分、両極通電(2 Hz、100 μs、200 μA)
    遠隔EA群
    経穴:足三里(ST36)、上巨虚(ST37)、中渚(TE3)、四瀆(TE9)
    直刺、10〜25 mm、20分、両極通電(同条件)
    全身手鍼群
    経穴:上記すべて
    直刺、通電なし、20分

    5. Guo 2023(香港, EA±温鍼プロトコル)
    使用経穴
    耳周囲:聴宮(SI19)、翳風(TE17)
    頭皮:百会(GV20)、神庭(GV24)、後側頭線(MS11:GB8→GB7)
    遠隔:中渚(TE3)、足三里(ST36)
    刺し方
    耳周囲:直刺、15〜20 mm
    頭皮:横刺、10〜15 mm
    遠隔:直刺、20〜30 mm
    保持時間:25分
    刺激条件:2 Hz電気鍼。EA群では温鍼(灸頭鍼)を追加。

    6. ブラジル Okada 2006(即時効果)
    使用経穴:頭皮の蝸牛‐前庭区(cochleal-vestibular area)
    刺し方:斜刺
    刺入深度:10〜15 mm(頭皮に沿わせる)
    保持時間:短時間(即時効果確認のため数分〜10分)
    刺激条件:電気刺激なし

    7. ブラジル Azevedo 2007(OAE測定)
    使用経穴:蝸牛‐前庭区(頭皮鍼)
    刺し方:斜刺
    刺入深度:10〜15 mm
    保持時間:20分前後
    刺激条件:電気刺激なし。耳音響放射(OAE)の即時変化を評価。

    8. ブラジル Doi 2016(RCT)
    使用経穴:蝸牛‐前庭区(頭皮鍼, 両側EA)
    刺し方:斜刺
    刺入深度:10〜15 mm
    保持時間:20〜30分
    刺激条件:EA(2 Hz, 両側通電)

安全性について

鍼灸は副作用が少ない治療です。
まれに内出血や一時的なだるさが出ることはありますが、ほとんどが軽度で自然に治まります。


まとめ

  • 鍼灸は耳鳴りの音やつらさを半数前後の方で大きく改善する可能性がある
  • 耳のまわり+手足+頭のツボを組み合わせて施術
  • 治療の目安は週2〜3回・1か月程度
  • 副作用が少なく、薬が効きにくい方にも安心して試せる

👉 耳鳴りで悩んでいる方へ
「一生このまま…」とあきらめずに、鍼灸で“音を小さくする”可能性を一緒に探してみませんか?

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