東洋医学

鍼灸の効果

【鍼灸研究の裏側】なぜ「効果が強いのにエビデンスが低い」のか

〜盲検化と割付隠蔽の落とし穴〜はじめに「鍼は効く。でもエビデンスレベルは低い。」この矛盾、よく耳にしませんか?実際、2023年に発表されたメタ解析(Feng et al., Frontiers in Neurology)では、神経障害性疼痛...
経穴

胃経編②:足三里とQOL ― 古典とエビデンスの交差点

―― 「足三里を刺す者、百病を防ぐ」その意味を臨床で読み解く ――足三里(あしさんり)は、東洋医学における最も有名なツボの一つ。古典では「足三里を得れば長生きする」「気を補い、血をめぐらす」と繰り返し登場する。しかし近年、この言葉が科学的に...
経穴

大腸経編②:曲池・手三里・肩髃 ― 上肢痛を抜く流れ

―― 腕の“詰まり”をどう流すか ――「腕がだるい」「手がしびれる」「肩まで張る」――そんな症状を訴える人の多くは、腕の外側ラインに“詰まり”があります。そのルートこそが、大腸経。肩こりや五十肩、テニス肘、手のしびれ。これらは筋肉だけの問題...
経穴

大腸経編①:合谷の真髄 ― “万能穴”はどこまで万能か?

―― 手のひらに隠れた全身スイッチ ――「合谷(ごうこく)は万能のツボ」――鍼灸の世界で一度は聞くこの言葉。でも“万能”って、ちょっと怪しく聞こえませんか?正直、僕も昔はそう思っていました。けれど実際に臨床で使い続けるうちに気づきます。「万...
ホルモン

【第1回】鍼がホルモンを整える理由①

― 視床下部‐下垂体‐卵巣(HPO軸)への作用 ―そもそもHPO軸って何?ホルモンのリズムを作っている“司令回路”のこと。Hypothalamus(視床下部)Pituitary(下垂体)Ovary(卵巣)この3つがリレーのように働き、エスト...