2025-10

経穴

大腸経編②:曲池・手三里・肩髃 ― 上肢痛を抜く流れ

―― 腕の“詰まり”をどう流すか ――「腕がだるい」「手がしびれる」「肩まで張る」――そんな症状を訴える人の多くは、腕の外側ラインに“詰まり”があります。そのルートこそが、大腸経。肩こりや五十肩、テニス肘、手のしびれ。これらは筋肉だけの問題...
姿勢

首を反らすと肩甲骨が痛い?

―頸部伸展時肩甲骨痛のメカニズムとリハ・鍼灸アプローチ―◆ はじめに「首を後ろに反らすと肩甲骨のあたりがズキッと痛む」――そんな訴えを耳にしたことはないでしょうか。首(頸部)の動きなのに、痛みの出る場所は肩甲骨周辺。実はこの“ズレたような痛...
姿勢

【座り方が立ち方を決める】

―リハビリで大事な視点。 座位姿勢が立位に及ぼす悪影響 ― ■ なぜ「座り方」が「立ち方」に関係するのか私たちは1日のうち、平均で7〜10時間を“座って”過ごしている。この時間、実は立位や歩行の土台を形づくる「姿勢習慣」をつくっている。座る...
経穴

大腸経編①:合谷の真髄 ― “万能穴”はどこまで万能か?

―― 手のひらに隠れた全身スイッチ ――「合谷(ごうこく)は万能のツボ」――鍼灸の世界で一度は聞くこの言葉。でも“万能”って、ちょっと怪しく聞こえませんか?正直、僕も昔はそう思っていました。けれど実際に臨床で使い続けるうちに気づきます。「万...
疼痛

ストレートネックは「構造」か?——痛みとの関係、直せるのか、臨床で何をやるか

結論「ストレートネック=痛みの直因」ではない。 関連が出る研究もあるが、一貫していない。ただし筋疲労・関節ストレス・椎間板変性を介して“痛みを育てやすい地ならし”にはなる。構造(前弯)を“ある程度”戻すことは可能。牽引や伸筋トレ、頸部・肩の...
ホルモン

【第3回】鍼がホルモンを整える理由③

― 自律神経トーンと血流による内分泌調整 ―ホルモンと血流はセットで動いているホルモンの分泌や調整は、実は「血流の質」に大きく左右される。脳も卵巣も、血液を通してホルモンの指令や栄養を受け取っているからだ。もし交感神経(緊張モード)が優位す...
ホルモン

【第2回】鍼がホルモンを整える理由②

― エンドルフィン系(内因性オピオイド)の活性化 ―エンドルフィンって何?人間の脳の中でつくられる“天然の鎮静物質”。正式名はβ-エンドルフィン(beta-endorphin)。「脳内麻薬」と呼ばれることもあるけど、怪しい話ではなく、れっき...
ホルモン

【第1回】鍼がホルモンを整える理由①

― 視床下部‐下垂体‐卵巣(HPO軸)への作用 ―そもそもHPO軸って何?ホルモンのリズムを作っている“司令回路”のこと。Hypothalamus(視床下部)Pituitary(下垂体)Ovary(卵巣)この3つがリレーのように働き、エスト...
脳卒中

【大脳の機能とリハビリでの重要性】

~「どの部位が壊れたか」ではなく、「どこを活かすか」~はじめに脳卒中のリハビリでは、「どの筋肉を動かすか」よりも前に、**「どの脳の部位が指令を出しているか」**を理解することが大切です。脳は単なる“配線の束”ではなく、経験・学習・感情まで...
疼痛

🦶足根洞(そくこんどう)を読み解く

〜リハビリと鍼灸の狙いを裏付ける“解剖学の真実”〜足根洞とはどこか?足根洞(Sinus Tarsi)は、距骨(きょこつ)と踵骨(しょうこつ)の間にあるトンネル状の空間。外くるぶしの前下方に位置し、足の安定と感覚に関わる“センサー中枢”とも言...