糖尿病としびれ ― ご本人・ご家族のためのやさしい解説
「足の裏がジンジンする。」
「指先の感覚が鈍い。」
「靴下を履いているような違和感がある。」
糖尿病のある方では、このようなしびれを経験することが少なくありません。
「血糖値が高いだけで、どうして神経まで悪くなるの?」
今回は、その理由をできるだけ分かりやすくご説明します。
神経は「電線」のようなもの
手足の感覚は、神経が脳と情報をやり取りすることで保たれています。
例えば、
- 熱い
- 冷たい
- 痛い
- 足が地面についている
こうした情報はすべて神経を通って脳へ伝わります。
神経は家でいう「電線」のような存在です。
ところが、高血糖が長く続くと、この電線が少しずつ傷ついてしまいます。
高血糖は神経をどう傷つけるの?
血液中の糖が多すぎる状態が続くと、体の中ではさまざまな変化が起こります。
例えば、
- 神経の細胞に余計な負担がかかる
- 神経を傷つける活性酸素が増える
- 神経へ栄養を送る細い血管の働きが悪くなる
こうした変化が何年も積み重なることで、神経が少しずつ障害されてしまいます。
その結果、
- しびれ
- 感覚が鈍い
- ピリピリ痛い
- 焼けるような痛み
などの症状が現れます。
なぜ足の先から始まるの?
糖尿病のしびれは、多くの場合足の指先から始まります。
これは神経が長ければ長いほど傷みやすいからです。
足先まで伸びている神経は、人の体の中でも最も長い神経の一つです。
そのため、
足の指
↓
足の裏
↓
足首
↓
ふくらはぎ
というように、少しずつ上へ広がることがあります。
その後、手の指先にも症状が出ることがあります。
一番怖いのは「傷に気づかないこと」
感覚が鈍くなると、
- 靴ずれ
- 小さな切り傷
- やけど
- 爪の食い込み
などに気づきにくくなります。
傷が治りにくい糖尿病では、小さな傷でも感染してしまい、重症化すると足の潰瘍や切断につながることもあります。
そのため、
毎日足を見ることが、とても大切です。
足の裏まで見えにくい場合は、ご家族に確認してもらうのもよい方法です。
血糖値が良くなっても、しびれが残るのはなぜ?
「血糖値は改善したのに、しびれは変わらない。」
これは珍しいことではありません。
高血糖によるダメージは、すぐには元に戻らないことがあります。
最近の研究では、体には高血糖だった時期の影響が「記憶」のように残る現象(メタボリックメモリー、またはレガシー効果)があることも分かっています。
そのため、血糖値が改善しても、神経の回復には時間がかかったり、症状が完全には消えなかったりすることがあります。
それでも血糖コントロールを続けることには大きな意味があります。
今後の神経障害の進行を抑え、合併症を防ぐことにつながるからです。
ご家庭でできること
① 血糖コントロールを続ける
最も大切なのは、主治医の指示に沿って血糖値を管理することです。
血糖を整えることは、神経障害の進行を防ぐ基本になります。
② 毎日足を観察する
毎日、
- 傷
- 水ぶくれ
- 赤み
- 腫れ
- 色の変化
- 爪の異常
がないか確認しましょう。
糖尿病では「フットケア」が非常に重要です。
③ 適度に体を動かす
無理のない範囲で体を動かすことは、
- 血糖コントロール
- 血液循環
- 筋力の維持
- 転倒予防
などに役立ちます。
続けられる運動を習慣にすることが大切です。
④ 気になる症状は早めに受診する
次のような症状がある場合は、早めに主治医へ相談しましょう。
- しびれが急に悪化した
- 強い痛みがある
- 力が入りにくい
- 傷が治らない
- 足が黒っぽくなってきた
- ふらつきや転倒が増えた
糖尿病以外の病気が隠れている場合もあります。
しびれのケアについて
糖尿病による神経障害そのものを鍼灸やリハビリだけで治すことはできません。
しかし、
- 関節や筋肉のこわばりを和らげる
- 体を動かしやすくする
- バランス能力や歩行を維持する
- 痛みや生活上の困りごとの軽減を目指す
といった補助的なケアとして役立つ場合があります。
訪問鍼灸リハりんでは、鍼灸とリハビリを組み合わせ、一人ひとりの生活に合わせた支援を行っています。
しびれや歩きにくさでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
※この記事は一般的な医学情報を分かりやすくまとめたものです。症状の原因は糖尿病以外にもさまざまあります。診断や治療については、必ず主治医へご相談ください。
訪問鍼灸リハりん
📩 riharin.kk@gmail.com



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