ご高齢の方・脳卒中後のご家族に知っていただきたい、やさしい鍼のお話
「鍼(はり)」と聞くと、「痛そう」「怖そう」というイメージを持たれる方は少なくありません。
特に、脳卒中の後遺症があるご家族や、ご高齢で体力が低下している方に鍼をおすすめすると、「痛みはないの?」「体への負担は大丈夫?」と心配されることがよくあります。
実は、鍼には皮膚に刺さない方法があることをご存じでしょうか。
それが「接触鍼(せっしょくしん)」や「鍉鍼(ていしん)」と呼ばれる施術です。
今回は、鍼が初めての方や、ご家族の治療を考えている方にぜひ知っていただきたい、「やさしい鍼」についてご紹介します。
刺さない鍼「接触鍼・鍉鍼」とは?
鍉鍼は、先端が丸く加工された金属製の道具を使い、皮膚を刺さずにツボへ軽く触れたり、なでたり、押したりして刺激を伝える施術です。
接触鍼も同様に、鍼先を皮膚に触れさせるだけで刺激を与える方法で、皮膚を貫くことはありません。
そのため、次のような特徴があります。
- チクッとした痛みがほとんどない
- 出血しない
- 感染のリスクが極めて低い
- 状態によっては服の上から施術できる場合もある
「鍼は痛そうだから苦手」という方や、刺激に敏感な方でも受けていただきやすい施術方法です。

刺さないのに、なぜ体に変化が起こるのでしょうか?
「刺さないなら意味がないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私たちの皮膚には多くの神経が存在しています。
皮膚へ加えられたやさしい刺激も神経を通して脳や脊髄へ伝わり、筋肉や血管、自律神経の働きに影響を与えることが知られています。このような反応は、体性―自律神経反射などの生理学的な仕組みとして研究されています。
その結果として、
- 血流が変化すること
- 筋肉の緊張が和らぐ場合があること
- リラックスしやすい状態へ変化する可能性
などが報告されています。
私たちが痛い場所を自然と手でさすると少し楽になることがありますが、刺さない鍼も、そのような体が本来持っている反応を利用した施術のひとつと考えるとイメージしやすいでしょう。
研究でも少しずつ効果が報告されています
刺さない鍼は、「なんとなく気持ちいい」というだけではありません。
近年では、科学的な研究も少しずつ増えてきています。
例えば、広島大学の研究では、がん患者さんの倦怠感(強いだるさ)に対して、刺さない鍼による改善の可能性が報告されています。また、安全性についても大きな問題は認められませんでした。
さらに、小児鍼を用いた研究では、夜泣きや寝つきに悩む乳幼児で睡眠の改善がみられたという報告もあります。
もちろん、すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。しかし、刺激が少なく、安全性に配慮しながら行える施術として注目されています。
リハりんでは「リハビリ」と「刺さない鍼」を組み合わせています
訪問鍼灸リハりんでは、理学療法士・鍼灸師の資格を持つ施術者が、お身体の状態を評価したうえで、その方に合った方法をご提案しています。
その日の体調やご希望に応じて、
- 機能訓練を中心に行う日
- 刺さない鍼を取り入れる日
- 両方を組み合わせる日
など、一人ひとりに合わせて施術内容を調整しています。
「鍼は少し怖い…」
そんな方でも安心してご相談いただけます。
こんな方におすすめです
- 鍼は痛そうで怖いと感じている方
- ご高齢で刺激の少ない施術を希望される方
- 感覚が鈍い、または敏感になっている方
- 小さなお子さん
- まずは無理のない方法から始めたい方
ご家族だけのご相談も歓迎しています
「本人が受けてくれるか分からない」
「まずは話だけ聞いてみたい」
そんなご相談も大歓迎です。
訪問鍼灸リハりんでは、ご本人だけでなく、ご家族のお悩みにも寄り添いながら、その方に合った方法を一緒に考えていきます。
「鍼=痛い」というイメージだけで選択肢を狭めてしまうのは、とてももったいないことです。
刺さない鍼という、やさしい方法があることを知っていただき、安心して治療やリハビリを受けるきっかけになれば嬉しく思います。
※本記事は一般的な医療・鍼灸情報の提供を目的として作成しています。施術の効果には個人差があり、すべての方に同じ効果を保証するものではありません。症状や体調によって適応は異なりますので、詳しくはお気軽にご相談ください。
訪問鍼灸リハりん(訪問鍼灸+リハビリ・機能訓練)
理学療法士・鍼灸師 金野 広大
拠点:東京都北区赤羽西(北区・板橋区を中心に訪問)
Email:riharin.kk@gmail.com



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