脳卒中リハビリは「量」がカギだった

リハビリ

高用量リハビリ(ハイドーズ)の科学


「もう回復は頭打ちかもしれない」
「週1回のリハビリだけでは変化を感じられない」

脳卒中後の生活のなかで、このような悩みを抱えている方は少なくありません。

近年の研究では、発症から長期間経過した慢性期であっても、適切な量の練習を積み重ねることで機能改善が期待できることが報告されています。

今回は、脳卒中リハビリにおいて注目されている「高用量リハビリ(ハイドーズ・セラピー)」について、科学的根拠をもとにわかりやすく解説します。


高用量リハビリとは?

高用量リハビリとは、通常よりも多くの練習量を確保しながら行う集中的なリハビリです。

具体的には、

  • 1回60〜90分以上の練習
  • 週3〜5回程度の実施
  • 数十時間単位の総練習量

などが含まれます。

重要なのは「長時間施術を受けること」ではなく、「目的の動作を繰り返し練習すること」です。


なぜ量が重要なのか?

脳には「神経可塑性(しんけいかそせい)」という仕組みがあります。

神経可塑性とは、繰り返し使われた神経回路が強化され、新しい回路が形成される能力のことです。

これは筋力トレーニングで筋肉が発達するのと似ています。

神経科学では、

「一緒に活動する神経細胞は結びつきを強める」

というヘッブの法則が知られています。

つまり、

  • 手を伸ばす
  • コップを持つ
  • ボタンを留める

といった動作を何度も反復することで、その動作に関わる神経回路が強化される可能性があります。


実際のリハビリ量は意外と少ない

Langらの研究では、入院リハビリ中の脳卒中患者さんが上肢を実際に動かした回数は、1セッションあたり平均32回程度だったことが報告されています。

一方、動物実験や神経科学研究では、運動学習には数百〜数千回規模の反復が必要と考えられています。

つまり、多くの患者さんでは「練習量そのもの」が不足している可能性があります。


追加練習量が多いほど改善しやすい

コクランレビューでは、上肢機能改善に対して反復課題練習が有効である可能性が示されています。

また、WardらによるQueen Square Programmeでは、慢性期脳卒中患者に対して約90時間の集中的な上肢リハビリを実施し、機能面および日常生活動作の改善が報告されました。

すべての方に同じ効果が得られるわけではありませんが、

「慢性期だから改善しない」
ではなく、

「適切な量の練習を積み重ねることで改善の可能性がある」

ということが重要なメッセージです。


続けられることが最も重要

ただし、高用量リハビリは無理をすることではありません。

近年の研究では、

  • ゲーム要素を取り入れる
  • 成功体験を積み重ねる
  • 本人が楽しいと思える課題を選ぶ

ことで、高い継続率が得られることも報告されています。

リハビリは短距離走ではなく、長距離走です。

「頑張る」よりも「続けられる」が重要です。


リハりんでの取り組み

リハりんでは、訪問リハビリと鍼灸を組み合わせながら、ご自宅で継続しやすい環境づくりを大切にしています。

  • 自宅で実施できるため移動負担が少ない
  • 個々の状態に応じて練習量を調整
  • 自主トレーニングまで含めた継続支援
  • 理学療法士・鍼灸師の視点から総合的にサポート

「もっと練習したいけれど方法がわからない」
「今のリハビリ量で十分なのか不安」

という方は、お気軽にご相談ください。


まとめ

✅ 脳卒中リハビリでは「量」が重要な要素のひとつ

✅ 神経可塑性は慢性期でも期待できる

✅ 多くの患者さんで練習量が不足している可能性がある

✅ 適切な反復練習の積み重ねが機能改善につながる

✅ 続けられる環境づくりが成功のカギ

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