食事で慢性的な痛みは変わるの?

呼吸

知っておきたい「炎症と痛み」の話

「ずっと痛みが続いている」「薬を飲んでも完全には楽にならない」——そんなお悩みをお持ちの方は少なくありません。実は近年、慢性的な痛みと「食事」の関係が注目を集めています。

「食事が痛みに影響する?」と驚かれるかもしれません。でも、科学的な研究が積み重なるなかで、食事と痛みの深い関係が少しずつ明らかになってきています。

痛みと炎症はつながっている

慢性的な痛みには、体の中で起きている「慢性炎症」が深く関わっています。炎症は本来、けがや感染に対する自然な防御反応ですが、それが長期間続くと神経を刺激し、痛みを悪化・持続させてしまうことがあります。

英国のバイオバンクという大規模データベースを使った研究では、5万人以上のデータを分析した結果、炎症マーカー(CRP)の値が高い人ほど、慢性的な痛みを抱えている割合が高かったことが報告されています。

「炎症を促す食事」と「炎症を抑える食事」がある

食事には、炎症を促進するものと、炎症を抑えるものがあります。

炎症を促しやすい食品の例:

• 赤身肉・加工肉(ハム、ソーセージなど)

• 砂糖入り飲料(清涼飲料水など)

• 精製された炭水化物(白パン、白米の過剰摂取)

• 揚げ物・超加工食品(ファストフードなど)

• トランス脂肪酸(マーガリンなど)

炎症を抑えやすい食品の例:

• 野菜・豆類

• 果物

• ナッツ類

• 青魚(サバ、イワシ、サンマなど)

800人以上を3年間追跡した研究では、炎症を促す食事パターンに移行した人は、そうでない人と比べて新たに痛みを発症するリスクが40%以上高かったという報告もあります。

慢性的な痛みのある方が陥りやすい食習慣

痛みが続くと、体だけでなく気持ちも落ち込みやすく、食生活が乱れやすくなります。研究によると、慢性的な痛みのある方は、そうでない方と比べて:

• 野菜・果物の摂取量が少ない傾向がある

• 炎症を促す食品をより多く食べる傾向がある

• 食事全体の質が低くなりやすい

こうした食習慣の乱れがさらに炎症を悪化させ、痛みが強くなる——という悪循環が生まれやすい状態です。

食事だけで痛みが消えるわけではないけれど…

食事を変えれば即座に痛みが消えるわけではありません。しかし、食事の改善はリハビリや運動、睡眠、ストレス管理と並んで、慢性痛の総合的な管理に欠かせない要素のひとつと考えられています。

まずは「今日の食事に野菜を一品加える」「甘い飲み物を水に変える」といった小さな一歩から、食習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

【参考文献】Elma et al., Brazilian Journal of Physical Therapy, 2024

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