腰が痛い原因、本当は「椎間板」じゃないかもしれない
腰が痛くなると、「椎間板が悪いのかな」「骨がすり減っているのかな」と心配される方が多いです。
実際、MRI検査を受けると「椎間板が変性しています」と言われることはよくあります。でも、じつは——
椎間板が傷んでいても、まったく痛みのない人はたくさんいます。
逆に、椎間板の状態がそれほど悪くなくても、強い腰痛を抱えている人もいます。
では、腰痛の重さを左右しているのは何なのでしょうか。
MRI研究でわかったこと:「お腹の奥の筋肉」が鍵だった
2024年に発表された研究(イタリア・ローマの大学病院)では、腰痛のある94人にMRI検査を行い、筋肉の大きさと腰痛の強さの関係を調べました。
その結果、腰痛が強い人ほど「大腰筋(だいようきん)」が小さかったことがわかりました。
反対に、大腰筋が大きい人ほど、腰痛が軽い傾向がありました。
そして注目すべきことに、椎間板の変性の程度は腰痛の強さとは関係がありませんでした。
大腰筋って、どこにある筋肉?
大腰筋は、背骨の下のほうから骨盤の内側を通って、太ももの付け根につながっている筋肉です。
お腹の表面からは見えない、体の奥深くにある筋肉です。
この筋肉は、
- 腰椎(腰の骨)を内側から支える
- 立ったり歩いたりするときに体幹と足をつなぐ
- 姿勢を安定させる
という大切な役割を担っています。
この筋肉が弱ったり、脂肪に置き換わったりすると、腰椎を支える力が落ちて、腰に負担がかかりやすくなります。
太りすぎも腰痛を悪化させる
同じ研究では、BMI(体格指数)が高いほど、強い腰痛になりやすいこともわかりました。
体重が増えると、腰にかかる負担が大きくなるのはイメージしやすいですね。体重管理も、腰痛予防のひとつの大切な柱です。
「腰痛=安静」は昔の話
以前は「腰が痛いときは安静に」と言われることが多くありました。しかし今では、適切な運動や筋肉へのアプローチが腰痛改善に重要だとわかっています。
大腰筋のような深部の筋肉は、日常生活の動作だけではなかなか鍛えられません。リハビリや鍼灸などの専門的なアプローチが効果的なことがあります。
こんな方は、筋肉へのアプローチを考えてみてください
- 腰痛が長引いている
- MRIで「椎間板が悪い」と言われたが、なかなか良くならない
- 最近、体を動かす機会が減った
- 体重が増えてきた
腰痛の原因は一つではありません。骨や椎間板だけでなく、筋肉の状態を整えることが、症状の改善につながることがあります。
気になる方は、ぜひご相談ください。
参考文献
Mallio CA, et al. The importance of psoas muscle on low back pain: a single-center study on lumbar spine MRI. North American Spine Society Journal (NASSJ) 18 (2024) 100326.



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